新イタリアの誘惑

イタリアを中心にヨーロッパの風景や美術紹介。時々日本も

欧州の小国BEST3 モナコ公国編①  岩山だらけの地から観光開発で生まれ変わった国

現在世界には実に多くの国家が存在する。国連加盟国とオブザーバー国を合わせると195か国。

アメリカや中国などの大国に関しては日常様々な出来事が報じられるが、一方で小さな国の情報はなかなか伝えられることが少ない。

私も世界のほんの一部しか訪れていないが、その中でも小さいながらも独特の文化を持ち、個性や存在感を発揮しているいくつかの国に触れる機会があった。

それで、欧州の中の3つの小国をピックアップして、私なりに感じたことを報告しようと思う。

題して「ユニークな欧州の小国BEST3」     一回目は「モナコ公国」

モナコ公国の面積は1.95㎢。日本の皇居面積の約2倍、ディズニーシーとほぼ同じ程度。世界でも2番目に小さな国だ。

しかし日本人でもだいたいモナコという国があることを知っている。

F1の開催国、レジャー、カジノなどの観光地、ラグジュアリーな街、あのグレースケリーが嫁いだ国・・・・

だがモナコは、19世紀まではただ単にヨーロッパの片隅にある岩山だらけのミニ国家という存在に過ぎなかった。しかも1789年のフランス革命に巻き込まれて当時の領土や財産をフランスに没収されてしまった。

そこで、当時のモナコ公シャルル3世は一大改革に乗り出す。

目指したのは観光による国土開発。特に産業はなくとも目の前には風光明媚な地中海と高低差のある雄大な自然の風景だ。

これを生かすための集客策は何がいいのか。

まず手掛けたのがカジノだった。カジノは富豪たちの集まる場所。リッチなギャンブルの施設を造ろう。それと、富豪たちが満足できる高級ホテルを併設しよう。

1878年に完成したカジノは、パリのオペラガルニエを完成させた建築家シャルル・ガルニエの設計だ。

その隣には高級ホテル「オテル・ド・パリ」。

それだけにとどまらない。

リッチな富豪たちと共にご婦人たちにも憩いの場所を提供しなければならない。カジノに付属したオペラハウスの建設だ。

舞台で展開されるのは、ヨーロッパでも有数のレベルを誇るモンテカルロバレエ団による公演だ。

こうしてモナコは国賓はもちろん、フランスを訪れる国家元首、皇族、長老たちがこぞって足を延ばす高級リゾート地として定着した。

これらの基盤整備によって、モナコには多数のホテルや観光資本、銀行等が集合する地域となり、現在は国家歳入の55%がホテル、会社等の付加価税収入、25%が観光収入となり、カジノ収入に頼ることなく国家運営がなされる国家となっている。