階段紀行・イタリア
南イタリアの洞窟住居(サッシ)の町マテーラを訪ねた。1993年に世界遺産に登録されたこの町では、他のイタリアの都市とは全く違った光景が展開する。 かつてはあまりにも不衛生な貧民窟として住民の退避を命じられ、廃屋同様の地域となった町。しかし今…
オストゥーニもまた南イタリアの「白い街」の1つだ。丘の中央にドゥオモがあり、周囲に住宅が広がる。ただ、高低差が大きいためどこに行くにも階段の世話にならなければならない。 この階段などは、どこまでも登ってゆくような錯覚を覚えるほど厳しい表情を…
イタリア半島のかかとあたり、プーリア州の高台にある町チステルニーノは、人口1万人弱の小さな町だ。 この町の旧市街は壁に囲まれており、その内部はぎっしりと白い建物で埋め尽くされている。狭い道だらけでまさに白い迷宮の町になっている。 この町を特…
プロチダ島はナポリの港から連絡船に乗って約1時間のところにある、地中海に浮かぶ島。人口千人というナポリ湾内で人が暮らす一番小さな島だ。 でも、その眺めはため息が出るほど素晴らしい。地域が密集しているためか、住民同士の交流はのどかで親密。この…
今回は地中海の島サルディーニャの階段です。 サルディーニャの中でも日本ではほとんど知られていない2つの町を訪ねた。まずはカステルサルド。「サルディーニャの城」という意味の地名を持つこの町は海に突き出した半島が丸ごと城砦になっている。 従って城…
同じシチリアにあるシラクーサには、ヨーロッパ最大規模の古代ギリシャ劇場が残っている。創設は紀元前3世紀。直径130mもの広さを持ち、15000人もの観客を収容出来る大劇場だ。 そこに至る道には、階段が今も残されて、現役で利用されている。 段の…
シチリアの州都パレルモにあるマッシモ劇場は1897年の建築。客席数3200と当時はパリ・オペラ座に次ぐヨーロッパ第2の規模を誇った。 新古典様式の正面は堂々とした風格だが、その中央にどっしりとした階段が設置してある。 この階段は、実はあの有…
ペルージャはウンブリア州の州都。この州の都市は大部分が丘の上に建設されている。敵からの防御のためと、昔から悩まされてきた感染症マラリアを媒介する蚊から遠ざかることも1つの大きな要素になっていた。 従って市内至る所に坂道がある。その1つがこの…
アマルフィは中世時代、ヴェネツィア、ピサ、ジェノヴァとともにイタリア半島から地中海地域での4大海洋国家の1つとして繁栄を誇った歴史を持つ。 今ではその華麗なる景観美によって世界中の人たちを引き付ける観光都市となっている。事前に考えていたのと…
グッピオは中部イタリア・ウンブリア州の斜面にある古い町。人口3万人の小さな町だが、美しい景観を持つ地域でもある。 そのランドスケープ・コンソリ宮殿(執政官宮殿)は14世紀のゴシック様式。正面の階段は、上部が直線だが、下部は半円形の波のような…
イタリア中部の町アッシジは、極貧の中で神の教えを極めた聖フランチェスコの生まれた町。今でも世界中の僧侶たちの厚い崇拝の地となっている。 イタリアの多くの町を巡ったが、参拝に訪れる僧侶たちの姿が最も目立ったのは、バチカン以外ではアッシジが圧倒…
イタリア中部の山岳地帯にポツンと忘れ去られたように孤立して1つの村がある。 La citta che muore(死にゆく町)と表現されるチヴィタ・デイ・バーニョレッジョは、周囲が何度もの地震や災害で崩壊し、今や完全な絶海の孤島の様相を呈している。 住人は1…
ピサはもちろん斜塔が有名だ。だが、私が行った時は斜塔の傾斜防止の修理中で入館できず、斜塔内部の階段は撮れなかった。 それで、今回は同じ敷地にある洗礼堂階段の紹介だ。 洗礼堂は大聖堂と向かい合わせの形で建っており、正円形の優雅なロマネスク建築…
ルネサンスを生み出した都・フィレンツェ。北部にミケランジェロのダビデ像があるアカデミア美術館が存在する。そのすぐ近くにあるのがサンマルコ美術館。元々修道院で、その修道僧だったフラ・アンジェリコの傑作が収蔵されている。 館に入り狭い廊下を左に…
今回は古代ローマ時代の円形闘技場を使った階段観客席を紹介しよう。 北部イタリアの都市ヴェローナには、「ロミオとジュリエット」伝説と共にヨーロッパでも有数の巨大円形闘技場「アレーナ」がほぼ完全な形で残されていることで知られている。 その闘技場…
イタリア北部の街ベルガモS・M・マッジョーレ教会は、12世紀ロマネスクの建築だ。尖塔の雄姿を眺めた後、中に入ると、想像をはるかに超える華麗な装飾が目に飛び込んできた。 白漆喰で整えられた壁面や天井に、きらびやかな金を惜しげもなく使って、豪華…
アルプス山脈のふもとの都市・トリノはいくつもの国に分かれていたイタリアが現在のような統一国家になった1861年、最初に首都となった歴史ある都市だ。リソルジメントと呼ばれるイタリア統一運動の中心的な地域となり、その実現をもたらした。 そんな活…
ミラノ中心部にあるポルティ・ペッツォーリ美術館は、19世紀貴族の個人邸宅をそのまま美術館とした建物だ。この入口の階段が優雅だ。大きな螺旋状を描いて上下し、その1段1段に赤いじゅうたんが敷かれている。 壁面にも彫刻や絵画作品が飾られ、その並び…
サンタンジェロ城。サンピエトロ大聖堂の隣りの位置し、要塞、法王の住居などに使われてきたが、現在は国立博物館になっている。 日本語に直すと「聖天使城」。 ベルニーニによって造られた天使像の並ぶサンタンジェロ橋を渡って城に到達する。その一連の景…
敬虔な信者たちが全員、ひざまずいて上る階段がある。スカラ・サンタ(聖なる階段)。ローマのサンジョヴァンニ・ラテラーノ大聖堂の敷地内、大聖堂すぐ横の建物に存在する。 この階段は、ローマ総督ピラトによる裁判によってキリストが死刑宣告を受けた時に…
スペイン階段はスペイン広場にある大階段だ。1725年フランス大使の援助によって造られたもので、近くにスペイン大使館があったことからスペイン広場と名付けられた。 この階段ですぐ連想されるのが「ローマの休日」。オードリーヘップバーン主演映画で、…
ヴィットリオエマヌエーレ2世記念堂脇に非常に幅広く大きな階段がある。初めてこの階段の前を通った時ちょうど真ん前を馬車が歩いていて、まるで古代ローマの1シーンを見ているような歴史的な雰囲気を味わった場所だ。 古代にユノ神殿があったとされるマル…
ヴァチカン美術館は、絵画館、システィーナ礼拝堂、美術館など20もの展示スペースがまとまったローマ法王庁の一大コレクションだ。 その中で階段に注目すると建物出口にあたる場所にある螺旋階段は、その優雅さにおいて別格の美しさを誇っている。設計者は…
ヴェネツィアでは階段が登場する名画に何度もお目にかかった。その一部を紹介しよう。 アカデミア美術館にある「聖母の神殿奉献」。3歳時のマリアが両親に連れられてエルサレムの神殿を訪問する場面。ルネサンス時代「画家の王」と称されたヴェネツィア絵画…
トレアルキ橋。「3つのアーチ」という意味の橋名で、橋の形からこの名称になった。本土側に近い場所に位置し、かつては本土側から運ばれる物資輸送の大動脈となった運河の入口にある橋だ。 結構高い勾配の階段がついている。この階段が最高の観覧席“祭りの…
次もカナルグランデ(大運河)に架かる橋・アカデミア橋。ルネサンス期ヴェネツィア絵画の殿堂であるアカデミア美術館の真ん前にあるのがこの橋だ。 1854年の建造で、1932年の架け替えの時、暫定的に木造で橋が造られたが、そのまま半世紀が経過、結…
ヴェネツィアは100以上の小さな島で構成される。その島々をつなぐのが無数の橋だが、ここはごく一部の島を除いて車の通行は認められておらず、島々に物資を運ぶのは船に限られる。 そうなると、橋は船が通り抜けるために中央部分を高くした太鼓橋スタイルに…
哲学者の一族、コンタリーニ家の宮殿の一部として15世紀に造られた外階段。ルネサンス様式とゴシック様式とが混じりあった形だ。 連続したアーチがらせん状に連なっており、「カタツムリ」を意味するボーヴォロの名が付けられた。 こんな入口から上に昇っ…
これは一体何だ! どこかの王家の結婚式場? いえいえ、ここはヴェネツィア随一の五つ星ホテル「ダニエリ」のロビー。 元々は14世紀に建てられた大富豪ダンドロ家の宮殿だ。ダンドロ家は何度もヴェネツィア共和国のドージェ(総督)を輩出している名門で、…
ヴェネツィアゴシックを代表する建物が、大運河の中ほどに建っている。「カドーロ」。日本語に訳すると「黄金宮殿」となる名称は、かつてこのファザードが黄金で装飾されていたためだという。 その中庭に颯爽と配置されているのがこの階段だ。 上から見ると…