新イタリアの誘惑

イタリアを中心にヨーロッパの風景や美術紹介。時々日本も

奈良旅

奈良・寺社巡り 法隆寺⑤ 夢殿を経て、中宮寺の菩薩半跏像の優雅さに浸りながら旅を終えた

法隆寺の最後の建物・夢殿に向かった。途中見事な桜並木を通り抜ける。 夢殿は、聖徳太子が亡くなり荒廃した斑鳩宮を悲しんだ奈良時代の高僧・行信が、738年に東院伽藍を復興したもので、その一環として夢殿も建てられた。八角円堂になっている。 (法隆…

奈良・寺社巡り 法隆寺④ 絶妙な軽さとリズム。百済観音像の超絶技巧に時間を忘れた。

(法隆寺ポスター より) 次に大宝蔵院に向かった。ここには私が最も会いたかった仏様がいる。百済観音菩薩立像。 一時、百済の国から伝来されたとされ、この名前が付いたが、国産のクスの木で作られており、7世紀中ごろの国内の制作と考えられるようになっ…

奈良・寺社巡り 法隆寺③ 五重塔の屋根は上層に行くほど小さくなり、最下層の半分。軽快さが際立つ。

金堂の横に五重塔がすらりと立つ。711年に再建されたものが今に残されている。貴重な木造塔だ。 高さは31.6m。非常に軽やかな安定感を感じる。それを裏付ける理由がちゃんと存在する。 というのは、5つある屋根のうち一番下の屋根(初層)に比べて、最上…

奈良・寺社巡り 法隆寺② 世界最古の木造建築「金堂」の内部には、聖徳太子と同じ大きさの釈迦像が

さて、中門の内部に入る。目に付くのは金堂。五重塔とともに世界最古の木造建築物だ。屋根が複数あるように見えるが、下のものは雨風から建物を守る裳階。 少し近づいてみる。高欄にまるでラーメンのどんぶりにあるような模様がある。これは卍崩しと呼ばれる…

奈良・寺社巡り 法隆寺① ”怨霊封じの門”とされた中門で金剛力士像に見入る。

法隆寺へはバスで向かった。薬師寺からノンストップでの法隆寺行きを見つけたためだ。 バス停からすぐの参道を歩くと寺が見えてきた。最初の建物は表門。 門越しに中門と五重塔を見る事ができる。それこそ何十年ぶりの法隆寺だ。 この表門にかかる几帳(のれ…

奈良・寺社巡り 法隆寺① ”怨霊封じの門”とされた中門で金剛力士像に見入る。

法隆寺へはバスで向かった。薬師寺からノンストップでの法隆寺行きを見つけたためだ。 バス停からすぐの参道を歩くと寺が見えてきた。最初の建物は表門。 門越しに中門と五重塔を見る事ができる。それこそ何十年ぶりの法隆寺だ。 この表門にかかる几帳(のれ…

奈良・寺社巡り 薬師寺②  「凍れる音楽」の東塔、「あおによし」を体現する西塔。そのライトアップにしびれた。

創建当初から唯一残る建築物が東塔だ。三重塔だが、各層に本来の屋根よりも少し小さめの裳階がついているために六重塔にもみえる。この竜宮造りと呼ばれる形が絶妙のアクセントとなって、ダイナミックな躍動感が生み出された。 アメリカの美術史家フェノロサ…

奈良・寺社巡り 薬師寺① 蘇った白鳳伽藍。進歩した造形美を誇る薬師三尊像

唐招提寺を出た後薬師寺に向かった。近鉄線を右に見ながら南に10分ほど歩くと、薬師寺に到着する。 北門から境内に入ると、すぐに立派な伽藍が現れる。でも、どれもわりに新しく見える。 薬師寺は、天武天皇の発願を機に建設が動き出し、現在地には718年…

奈良・寺社巡り 唐招提寺③ 清新な朝の空気の中、鑑真和上の御廟に参拝する

鑑真和上の御廟に着いた。境内の最も奥に位置する和上のお墓だ。朝ということもあって周りには誰もいない独占状態で、墓に参拝する形になった。 シーンと静まり返った空間。心が洗われるような時間が過ぎていった。 すぐ横には池があった。まったく風もない…

奈良・寺社巡り 唐招提寺② 鑑真和上を想う芭蕉の姿を想像し、木立と苔の競演に見とれた。

金堂の東側に校倉造りの建物が2棟並んで建っている。手前にあるのが経蔵。寺の創建より前からあったもので。日本最古の校倉とされる。 その奥が宝蔵。宝物を収蔵する建物だ。 北に歩いてゆくと。開山堂が見える。元々は徳川家歴代の御霊殿として建てられたが…

奈良・寺社巡り 唐招提寺① 千体の仏様を持つ廬舎那仏、千本の手を持つ千手観音。金堂内の巨大仏に圧倒される

(JRキャンペーンポスター より) 唐招提寺は、わが国で初めて正しい仏教の戒律を身につけるための修行の場として創設された寺だ。 指導に当たったのは、唐の高僧だった鑑真和上。5度も渡航に失敗し、その間失明してしまうという不幸に見舞われながらも、…

奈良・寺社巡り 東大寺⑦ 二月堂の舞台で、暮れてゆく奈良の風景を楽しんだ。

東大寺・二月堂では、張り出した舞台の椅子に座って休憩を取りながら、眼下に広がる奈良の景色を楽しんだ。 まずは大仏殿の屋根。 境内に広がる桜の合唱。 すぐ手前にも咲きこぼれる花の大群が・・・。 遠方には霞が出てきたようだ。 釣り灯籠には風情が感じ…

奈良・寺社巡り 東大寺⑥ 不空検索観音像の両掌の間には、水晶玉がきらり

次は坂道を上り法華堂から二月堂を目指した。途中、石灯籠の列が続く。 坂上に建物が見えてきた。 法華堂だ。前の回で触れた法華堂。この堂は天平年間に創建されており、東大寺の中でも最古の建物。 (東大寺パンフレット より) 中にあるのがこれも国宝の不…

奈良・寺社巡り 東大寺⑤ 日光月光菩薩像に四天王像。国宝勢揃いの絢爛豪華な東大寺ミュージアム

大仏殿を出て少し戻り、近年新しく完成した東大寺ミュージアムに入った。ここには豪華な仏像群が並んでいた。 まずは日光月光像。本来は法華堂の不空検索観音像の両脇に並べられていたが、ミュージアム完成によってこちらに移された。 (天平の楽園 東大寺 …

奈良・寺社巡り 東大寺⓸ 四天王像があったことはあったが、なぜか2体は首だけ

大仏殿の中にも四天王が存在した。大仏の左後方には広目天が立つ。 その足元を見ると、踏みつけられた邪鬼が情けない顔をさらしている。 また、右後方には多聞天。四天王のうちの2体は比較的怒りを抑えた表情の像だ。 それで、もう2体はどこ? 見当たらな…

奈良・寺社巡り 東大寺③ 大仏様は5階建てほどのビルに相当する高さで圧倒的

さあ、大仏殿。現在のものは1709年に再建されたものだが、創建時はもっと大きかったという。それでも木造建造物としては世界最大級の規模だ。 なにしろ大仏の大きさは15m。台座を含めると18mという巨大な像がすっぽりと収まっている建物だ。 見上…

奈良・寺社巡り 東大寺② 楽器を奏でる国宝の菩薩像達に迎えられて大仏殿に向かう

中門横の受付から境内に入る。ちょうど桜の時期、花びら越しに大仏殿が現れた。 門に掲げられた几帳の文様は丸形に鳳凰が描かれ、その下に雲がなびいている。これは正倉院文様を基にデザインされているようだ。 大仏殿に入る前に注目したいものがある。金銅…

奈良・寺社巡り 東大寺① 全国国分寺の総本山には、運慶快慶の力作「金剛力士像」がにらみを利かせる

東大寺は、あの大仏様のお寺ということで、大仏建立に関わる時代の話から始めよう。 大仏建立の詔を発したのは聖武天皇だ。724年に即位したが、当時は地震や疫病などの流行で社会不安が高まっていた。そこで天皇は仏教に救いを求めることにした。 全国各…

奈良・寺社巡り 奈良市中心部ぶらり③ 「ならまち」の散歩で、ひと昔前の雰囲気に浸った

ならまちと呼ばれる風情ある街並みの一角に「なら格子の家」があった。高い天井と深い奥行きは、昔からの造りを思わせる。 中に入って後ろを振り返ると、外の明るさと対照的に内側には暗闇の部分が強調される。 「陰影礼賛」。谷崎潤一郎の言葉を思い出させ…

奈良・寺社巡り 奈良市中心部ぶらり② 天然記念物のシカ君たちは本当に自由奔放にくつろいでいた

奈良公園付近を歩いていると、しょっちゅうシカと出会う。国の天然記念物に指定されているシカ君たちの様子を特集してみた。 エサを探しているシカのアップを撮ろうと近づいてみた。 すると、シカの方から向かってきてくれた。現在市内のシカは約1200頭…

奈良・寺社巡り 奈良市中心部ぶらり① 興福寺の几帳には、天平時代から受け継がれた鹿の文様が記されていた

奈良市内では中心部の散歩から始めた。最初に訪れたのが、猿沢の池。水面に興福寺の五重塔がうっすらと映り、まさに典型的な奈良の風景だ。 満開の桜を見ながら、まずは興福寺の境内に入った。 最初の通りかかったのが南円堂。 堂の入口に下がっている几帳(…

奈良・寺社巡り 長谷寺⓸ 仏様のシルエットに感激し、「花の御寺」を満喫した

長谷寺本堂の舞台と反対側に回って本堂空間を見ると、仏様の座像がちょうどシルエットになっていた。その先は新緑と白い桜の花びらが入り混じって、美しい背景を形成している。思わず手を合わせたくなる瞬間だった。 さあ、戻ろう。また階段を歩き始めた。 …

奈良・寺社巡り 長谷寺③  国内最大級の木造仏「十一面観音菩薩立像」は黄金色に輝いていた

長谷寺の舞台から右方向を見れば、鮮やかな朱色の五重塔が目に入る。 この五重塔は、何と1964年、昭和の時代に造られたものだ。戦後日本に初めて建てられた五重塔ということで、「昭和の名塔」とも称される。 望遠で大アップ。桜の花びらが塔にかかる姿…

奈良・寺社巡り 長谷寺② 小林一茶も紀貫之も、多くの知識人も訪れた山寺では満開の桜が、、。

中廊を上り終えたところは、ちょっとした広場になっていた。そこに1つの歌碑が立つ。 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」 紀貫之が訪れた時、咲き誇っていた梅の花を見て詠んだ詩だ。 その梅の木がこれ。 その隣には小林一茶の句…

奈良・寺社巡り 長谷寺① 長い坂道を下って上る。平安時代に出来た「登廊」に悪戦苦闘

長谷寺。686年に道明上人が天武天皇の病気治癒を願って開創した真言宗豊山派の総本山だ。桜井市初瀬の山懐に抱かれた寺。静寂の支配する山寺をイメージしながら寺を目指した。 近鉄線長谷寺駅を出ると、正面に「長谷寺」と書かれた門がある。 「あれ、こ…

奈良・寺社巡り 室生寺⓸  台風によって倒壊した五重塔は熱い支援者たちによって奇跡的な速さで復活していた

五重塔は平安時代初期の建立。屋外の五重塔としては法隆寺に次いで2番目に古く、国内最小の塔でもある。 その真下に立つとそんな小ささは感じない。 四角く区切られた五つの屋根。朱色に染められた軒下部分と外側を縁どる白のコントラストが鮮やかだ。 背景…

奈良・寺社巡り 室生寺③ 山深き里に佇む本堂には、天平の香りが漂っていた

さらに次の階段を昇る。 途中でふと足元を見ると、一匹のチョウチョが階段に留まって休んでいた。 本堂に到着だ。咲き誇る桜に囲まれて姿を現した。 和様と大仏様の折衷様式で、趣を感じさせる。 横からの角度で眺める。屋根の先端をグイと持ち上げて、羽の…

奈良・寺社巡り 室生寺② まるで少女のあどけなさ!?十一面観音菩薩像に心打たれる

金堂に到着した。 室生寺は奈良時代の680年、天武天皇の勅命によって建てられた。 高床式、気品と風格にあふれる建物だ。 (「週刊朝日百科 日本の国宝」より) 中には国宝の釈迦如来立像がある。榧の一木造。どっしりと落ち着いた重厚さが際立つ。衣には…

奈良・寺社巡り 室生寺① 初めての室生寺詣で。鎧坂の急階段が待ち構えていた

本当に久しぶりに奈良に行ってきました。一度は訪れてみたいと思いながら実現しなかった室生寺詣で。今回やっと果たすことが出来た。 寺への出発点は、まず近鉄線室生口大野駅。 下車すると、駅周辺は桜に取り囲まれるようにピンクに染まっていた。 坂を下り…